学校が終わり、家に帰る途中の奈津美。
いつもは友達と一緒に帰るけど、今日は1人の奈津美。

学校の近くに公園があり、そこでブランコに乗っていた奈津美。

裕史がジョギングに誘ってきたことが今でもよく分からない奈津美。裕史とは、同じクラスで前からカッコイイと思っていた。

裕史のことを考えて物思いにふけっていた。
そこへ、20歳くらいの男性2人がやってきて、奈津美に絡んできた。

公園には誰もいなかった。

「ねえねえ、君さブランコに乗ってなにやってたの?」
ブランコに乗っている奈津美を後ろから抱きしめる。

「いや、なにするの!」
その男は奈津美の胸を触ってきて。
「きゃあ、やめて」

もう1人の男は、奈津美のスカートの下に手を入れてきて。
「ひやっ、痴漢」
「あんまり騒ぐといい所連れてっちゃうよ」

奈津美は力を振り絞り、立ち上がる。
それでも、また後ろから抱きしめてきて、スカートの中に手を入れて脚を触る。

「すべすべで気持ちいいなあ、俺達後半しちゃうな」
「やだった言ってんでしょ!痴漢!」

「なんとでもいいなよ、だれも髪を助けになんか来ないよ」

そこへ裕史が通りかかる。
「あんたら、なにやってんだよ!彼女嫌がってるじゃないか」
「あ?誰だてめえ。この子とどういうかんけいだよ!え!」
その隙に奈津美は裕史の後ろに隠れる。

「僕の彼女だ!なんかモンクあるかよ!」
「北山くん......」

奈津美はそのことばを聞いてドキッとした。
「おもしれー、やってやるか!」

男は裕史の胸ぐらをつかんだ。
「ちょっと、一髪殴らせろ!むしゃくしゃしてんだよ」

裕史の頬をながらかかろうとする男。
「こらこら、君達なにやってんだ!」
見廻中の警察官が近づいてくる。

「やべえ、警察だ!行くぞ」
男2人神は走って逃げて行く。

「大丈夫か?君達」
「はい、でも彼女が」

「彼女がどうしたんだ?」
「あの人達痴漢だったんです。私の胸とか足触られて」
「それ、早く言わないと」
「はあ、すいません」

警察官は、2人に質問する。
「君達は、どこの高校かな?」
「聖華高校です」
「寄り道しないで家にはやく帰りなさい。それと君はこの子の辛子なのかな?」
「あ、はい」

「しっかり彼女を守りなさい」
「はい」

「それと彼女。護身術を知っておくといいよ。女性は男の力には敵わないからね」
「あ、はい。ありがとうございました」

警察官は自転車で行ってしまう。

裕史は。
「篠崎さん、大丈夫?」
「うん、ありがとう。私のこと守ってくれて」

「今日は、篠崎さんの家まで送ってく。僕も心配だから」
裕史は、さりげなく奈津美の手をとり歩き始める。

「北山くん...」
「ん?」
「嬉しかった。私のこと彼女っていう言ってくれて」
「あれは、篠崎さん守る為に言ったことだから」

「守るために言うのはもう終わり。私、北山くんの彼女に立候補してもいい?」
「えっ、篠崎さん?」
「だめ?」

「ううん、だめじゃないよ。けど僕のこと下の名前で呼んで?」
「じゃ、裕史くん」
「なに?」
「わたしも奈津美って呼んで?」
「じゃ、奈津美のちゃん」
「なっちゃんのが言いやすいでしょ?」
「じゃ、なっちゃん」

「ん?」
「今日から僕のものだから」
裕史は奈津美の唇にキスした。

奈津美の家に着いて。
「じゃ、僕はこれで」
「うん、気をつけてね」

裕史は、2、3歩歩いて立ち止まる。
「あっ、大事なこと言い忘れた」
「ん?なに?」
「好きだよ」

「私も、裕史くんのこと好き」
奈津美を抱きしめる。
「ちょっとこのままでいさせて」

奈津美の額にキスをした。
「じゃ、おやすみ」
「おやすみ」

裕史は、奈津美をしっかり守らなきゃと思った。