2人は、目的の場所へ。そこは、イルミネーションがキラキラと輝いていた。
「うわー、凄い綺麗」
「でしょ?麗子ちゃんと一緒に来たかったんだ」
イルミネーションの光の道を歩く。
「司くん、意外とロマンチックなんだね」
「なにそれ、意外は余計だよ」
ハートの形をしたオブジェの所に来て。向かいあう。
「麗子ちゃん」
「ん?」
「僕麗子ちゃんが好きだ。君に彼氏がいるのは知ってる。麗子ちゃんの2番でいいから、君のそばにいたい」
「司くん......ありがとう。私も友達として司くんのこと好き」
司の顔が近づいてきて、麗子の唇に触れそうなところで下を向いてしまった。
「麗子ちゃん、やっぱり彼のこと忘れららないんでしょ?だったら......」
麗子の手で司の口を塞いだ。
「んんんんん!」
「それ以上言わないで」
「分かったよ、ごめん。じゃ、こういうのはどう?」
「どんな?」
「彼氏と仲直りするまでは、ぼくが麗子ちゃんの彼氏ってことで。いい案だと思うんだけど、どうかな?」
麗子の目をじっと見て、触れるだけのキスをした。
「あっ」
「また、やっちゃったね。僕の口さ、麗子ちゃん見ると勝手に動いちゃうんだよね」
「もう!」
麗子は司の腕をトンと押して、照れている。
「なに?麗子ちゃん照れてる?可愛いな」
麗子の頭をぽんぽんする。
「いいよ、司くんが2番目の彼氏で」
「えっ、ほんとに?」
「うん。司くん基本は冷たいけどさりげなく優しいから」
「なにそれ?基本は冷たいとかさりげなく優しいとか」
「そのまんまだと思うけど」
「でも、僕のこと冷たいって褒めてくれたから、まあいいか!」
「やっぱり、司くんって変!」
司は麗子の口を奪った。
「司くん......」
「ん?」
「雪!」
空を見上げた。
「ほんとだ!雪も祝福してくれてるみたいだね」
「えっ、どういうこと?」
「分からないの?お似合いのカップルだって」
「司くん......恥ずかしくないの?そういうこと言って」
「全然!だって麗子がいるから」
2人は、大きいクリスマスツリーのところに行って、写真を撮ってもらう。
司も麗子もとびっきりの笑顔でピースをした。風太のことは、いつしか忘れていた。
風太は。部屋の中でしょんぼりしていた。
僕、麗子を束縛してたのかなあ、あいつのこと好きなんだからしょうがねえじゃん。
部屋の窓を開けると、冬の寒さが身にしみた。あー、寒っ。あれ?雪降ってんじゃん。
麗子、早く帰ってこいよ!お前に触れたくて限界だー。
明かりのついていない、麗子の部屋に向かって1人叫んでいた。