鬼が往く

将臣の許しを得て、銀二と根津は対峙する。

そして。

「ドラァッ!」

いきなりのクロスカウンターで喧嘩は始まった。

将臣や多くの組員達、紗智の見ている前で、足を止めたままノーガードで殴り合う!

「オラァッ!」

銀二の右フック!

脳を揺さぶるような一撃に根津がよろめく。

が、間髪入れずに銀二の頭を抱え込み、顔面に膝蹴り!

「がは!」

割れた額から血を流し、銀二が呻いた。

根津は銀二の髪を摑み、頭から壁に叩き付けた!

壁が陥没するほどの威力に、銀二が片膝をつく。

そんな彼の顔面に、根津はケンカキックを何発も叩き込む!

傷が痛むのだろうか。

銀二の動きには、明らかに精彩がなかった。

だが根津は容赦しない。

本気で銀二を潰しにかかる!