鬼が往く

折れた腕をダラリとぶら下げたまま、銀二の顔面に何発となく膝を叩き付ける釘宮。

その表情には、相手を痛めつける事に対する愉悦が見て取れる。

だが。

「調子に乗んなよ、コラ…!」

膝蹴りを食らいながらも、銀二は釘宮の折れた腕を摑み、力一杯捻り上げた!

「ぎいやあああああああああ!」

激痛に、釘宮が悲鳴を上げる。

銀二は折れた腕を摑んだまま、釘宮に何度も拳を打ち込んだ!

サングラスも鼻も砕け、釘宮の顔面は血塗れになる。

しかし。

「!!」

釘宮は接近すると、銀二の首筋に食らいつく!

「うぐう!」

銀二は釘宮の側頭部に左フック!

更にボディアッパーで、釘宮を引き剥がした。

噛みつきまでしてくるとは…想像以上の狂犬だ。