鬼が往く

「死ぬんはオドレじゃボケェッ!」

街のスクランブル交差点、そのど真ん中で喧嘩は始まった。

異名通り、狂ったように特殊警棒を振り回す釘宮。

その無軌道ぶりに、銀二は防戦を強いられる。

「つっ!」

避け損なった一撃が頭を掠めた。

頭から、一筋の血が流れる。

「てめぇ」

銀二は釘宮の特殊警棒を持つ手を摑み、その肘を蹴り上げた!

肘が乾いた音を立て、有り得ない方向に曲がる。

同時に特殊警棒を落とす釘宮。

しかし。

「おるぁあぁぁあぁあっ!」

釘宮はその折れた腕を鞭のように撓らせて、銀二に打ち下ろしの拳を叩き込む!

更に銀二の髪を摑み、顔面に膝蹴り!

「がっ!」

鼻血を噴き出す銀二。

早速釘宮は『釘バット』の真価を発揮し始めた。