千早を着て赤い袴でも穿いたら、神社の巫女さんそのもの・・・そんな霊子が、静かに肯いてくれる姿は、下手な○○カウンセラーさん達よりも、相談を持ち掛ける客達には安心感を与えてくれる。


「そうですね、特に相手に訴えかけないといけないコトバには、意思のパワーが必要なんですね。あるコトバを伝えるのが苦手という方の場合、その意思のパワーが、ちょっとだけ不足気味なんですよねぇ~」

「彼と会うたびに、今日こそは、云わないと!、と想い続けて・・・お互いのためにも良くないですよね・・・」

「お貸しする巾着袋の中に、言霊と焼印されたお札が入っています。そのお札に、私がお客さんの「別れましょ」という意思をサポートするパワーを込めます!」

説明の後、霊子は、一旦店の奥へ入って、数分の後に巾着袋を手に戻ってきた。

その間、アイカは入会申し込みの書類に必要事項を記入していた。その書類を引き換えに霊子は、巾着袋を手渡した。

「使い方はとっても簡単ですからね~。左手にその巾着袋を掴んで、相手方に向かって下さい!」