「この、別れのコトバの巾着袋はお返ししますね」
アイカは、カウンターへ巾着袋を置いた。
「もう、大丈夫ですか？まだ、彼が、納得し切れていないとかで、必要じゃないですか？レンタル期限は後3日ありますし、延長も可能ですから。しばらくお手元に置いて、様子をみてもらった方が良くないですかね？」
そうだった、カズオが本当に別れを納得してくれているのかどうか・・・
霊子のアドバイスは、もっともだ！
ちょっと考えれば、そんなこと当然かもしれない。なのにアイカは、別れのコトバのお札の返却を焦った。
「あのぉ。二つのコトバを同時に借りる事も可能なんでしょうか？」
「料金さえ頂ければ、いくつでも可能ですよ！ただし、同じ相手に相反する言葉を使うのは、危険なので止めて下さいね！」
