カズオとの二年間の出来事が、アイカの頭の中を流れては消えた。
悪い人じゃないし、特に不満もなかった。
だけどね、私には、ちょっと平凡過ぎたのかな。
「いらっしゃいませ」
霊子の声が、アイカを出迎えた。
「ありがとうございました!お陰で、しっかり別れが云えました」
「今、きっぱりと云って、彼と別れてきました・・・」
「そうですかぁ、お役に立てて、良かったです・・・」
告白のコトバや、仲直りのコトバで人の役に立てた時のお客さんのコトバは嬉しい。
しかし、別れや辞退のコトバで役に立てた時は、素直に喜べない時も多い。
霊子は自分の能力の使い方が、これで良いのか?ちょっぴり、悩むこともある・・・

