「そうじゃないの、カズオさんと別れたいのは私の本心」
「実は、わたし。もう、一年ぐらい前から、カズオさんとは合わないと感じていたのよ」
「だから、お互いそれぞれに、もっとお似合いのパートナーを探しましょ!」
「カズオさん、お願いだから。私の最後のわがままを許して欲しいの・・・」
そこまで云われて初めて、カズオは二人の今の状況を理解した。
そして、気持ちは肯けないまま・・・でも、クビだけ小さく肯いて見せた。
「ごめんなさい、カズオさん!いままで、ありがとう・・・」
そう告げて、アイカは早々に席を立った。
カズオは、突然の別れ話に、黙ってアイカの後姿を見送るしかなかった。
アイカ・・・君ってどこか、危なっかしいよね・・・
巾着の中のお札を握り締めて、その力を実感して、アイカはその足で、<言葉>レンタルショップへ向かった。

