「絶対、来る。
せっかくナッツと仲良くなれたのに、これで終わりじゃ嫌だし」


ジャスティンは、何だか心が軽くなった。
恋をするとか人を愛するとか、今までの俺にはやっぱり縁がなかったんだ。
だって、今、体感しているこの気持ちは、全部が初めてのものばかりだから。
ジャスティンがそう言って木の実を見ると、笑顔なのに木の実の瞳は潤んで見えた。


「どうしたの?」


木の実は笑いながら涙を拭う。


「ジャスティンがやっと元気になったって思って…」


ジャスティンは、たまらずに木の実の肩を抱き寄せた。


「ごめん…
今の俺って、多分、情緒不安定なんだ…
でも、その解決策を見つけた。
ナッツ、今から、俺の友達がいるショットバーに行こう。
美味しい食事も頼めば出してくれるし、あ、それと、ナッツにプレゼントがあるんだった」



「え? プレゼント??」」


ジャスティンは木の実をまた車に乗せると、エンジンをかけて車を走らせた。


「後部座席にある箱を開けてみてごらん」


木の実は顔をほころばせて後ろを見てみる。
そこには見た事のないブランド名が入った高級そうな箱が置いてあった。


「本当に開けていいの…?」


ジャスティンは目だけを動かし木の実を見た。


「本当に開けていいよ」


木の実はドキドキする胸を鎮めながら、その箱の蓋を開けてみた。
もう、何も言葉が出てこない。
そこには、木の実の大好きなブルーのワンピースが入っていた。
上から掛ける濃紺のカーディガンと、それに似合うちょっとだけヒールのついたシルバーのパンプスも一緒に。