ジャスティンは運転しながら、自分の情けなさにうんざりしていた。
木の実は引っ越し先を探してて、決まったらそこに引っ越しをする。
そんな最初から分かっている事なのに、何でこんなに心が落ち込むんだ…
火曜日って、もうすぐじゃないか…
あ~、マジでヤバい、心に大きな重しがのったように何だか息苦しくてたまらない。


「ほら、着いたよ。
住所でいったらこのマンションだな」


ジャスティンがそう言う間もなく、木の実は車から飛び出した。
木の実が興奮するのも分かる。
そのマンションは建物自体はそんなに大きくはないが、濃い茶色の外観には正面玄関から左側にかけて深い緑色のツタが絡まっていて、味のあるお洒落な建物になっていた。


「す、素敵…
あのね、間取りも結構広くて、だから、ジャスティンが遊びに来ても全然大丈夫なんだ」


ジャスティンは木の実のその言葉で息ができなくなった。


「俺が遊びに来てもいいの…?」



「え…?
来てくれないの…?」


ジャスティンはハッとした。
そうだよな…
俺と木の実はまだ何も始まっていないんだ…
始めるために、俺がしなきゃならない事を忘れてた。
俺は木の実と一緒にいたい。
でも、そうするには、まずはおつき合いを始めないといけないのか…

おつき合いを始めるには、よし、今夜、俺は木の実に告白する。