木の実は、あまりの興奮に大きな声でそう言ってしまった。


「木の実ちゃんだから、この話をしてるのよ。
まだ何日かだけど、もうちゃんと分かっている。
木の実ちゃんの人間性やお年寄りに対する気遣いとか優しいところとかね」


木の実は涙が出そうだった。
でも、図々しいと思うけど聞く事はちゃんと聞かなければ…

「あの、引っ越しは、いつ頃できますか?
それと、敷金とかは?」


奥様は、近くに来たオーナーに目配せをしてこう言ってくれた。


「引っ越しは明日でも大丈夫よ。
敷金は…
じゃ、一か月分いただこうかしら。
でも、それは、いつでもいいからね」


木の実はもう我慢できずに泣いてしまった。
オーナー夫妻の親切心に心から感謝して、何度も何度も頭を下げた。

そして、ジャスティンと知り合ってから、不思議と幸せな事が次々とやって来る。
ジャスティンは、私にとって、幸せの白馬に乗った王子様なのかもしれない。

あ~、早く、ジャスティンに会って話したいよ…