ジャスティンは腕の中で木の実を抱きしめ、木の実の心臓の音をぼんやりと聞いていた。

このベッドの上で、俺達は一つになった。
木の実の体は柔らかく、俺の細胞は一つ残らず木の実の虜になり、木の実のものになった。
もう手離すなんて何があってもできない。
もし、可能ならば、24時間365日ずっと抱いていたいくらいだ。


「ナッツ、起きてる…?」



「……うん」


木の実は寝ぼけまなこでジャスティンの胸に顔をうずめてくる。


「ねえ、俺、結婚したい…
今すぐにでも、ナッツと結婚したいんだけど」


木の実は驚いた顔でジャスティンを見上げた。


「そんなのまだ早いよ。
だって、今日、やっと付き合い始めたのに…
それに、私、明日は引っ越しなんだよ。
オーナーの奥様のご両親の面倒を見るって約束もしてるし、モナンジュでも働き出したばっかりだし、まだ結婚は無理だよ」


ジャスティンは目を伏せて寂しそうにため息をついた。


「じゃ、どれくらいしたら結婚できる…?」


木の実は本当に困ってしまった。
結婚とかまだ何も考えてなかったから。


「じゃ、一年後に考える。
その前に、ジャスティンだって、気持ちが変わってるかもしれないじゃん」



「俺は絶対にそれはないから。
分かった、じゃ、一年後まで頑張って待つよ。

その時、まだ二人とも気持ちが一緒だったら結婚しよう」


木の実は本当にジャスティンが愛おしかった。
一年後は多分私の方が、ジャスティンが私を想うよりも何十倍もジャスティンを好きになってるはず。

木の実はジャスティンの頬にキスをした。
ジャスティンは待ってましたとばかりに、また木の実を抱きしめる。
もう、朝はそこまで来てるのに、二人は何度も何度も抱き合いそしてキスをした。