「何見てんの、あんた」

「あ、いや、綺麗だなーって……」

「……」


美少女の問いに素直に答えるも、照れてくれるような素振りはなさそうだ。


ただただ不愉快そうに、眉を吊り上げてる。



あたし、嫌われてるんかなー?



「で、律。どうすんの、この子」

「上篠桃ちゃん、だっけ?どうしよっか?律~」


ブラウンカラーのさっきの男が、飄々とした物言いで、奥にいる”その人”に言葉を投げた。



「連れてく。何か握ってるかもしれねえからな」


奥の男はそう言って、あたしに背中を向けて先に去って行った。