ゆっくり、ゆっくりと壁から顔をちょっとだけ出して、その人物たちを視界にとらえたあたし。


金髪に、黒アッシュの超!ヤンキーと、そんな”モンスター”を前に顔面蒼白で震えあがってしまっている、いうなれば、小人のような男子生徒が2人。


さらに金黒アッシュの背後には、数人の、何やら色々と”濃い”面々が出揃っているようだ。


そこに集まっていたのは、編入してきたあの日に、天羽さんに散々忠告された、”関わるな”と口を酸っぱくして言われた問題の生徒たちに間違いなかった。



って、あいつ!!!


あたしはその金黒アッシュヤンキーと、その斜め後ろで壁にもたれかかり、煙草をふかしているブラウンの髪の男には見覚えがあった。


それもそのはず、今日の朝に芸能科の校舎で、眼鏡の女性教師と揉めに揉めていた張本人だったから。



や、やっぱりあの人たち、例の不良グループの一員だったんだ……。