ムムム……!?
この明らかに悪を思い起こさせるどすの利いた声は……。
「だ、だから、ぼ、僕たちは、普段から、き、君たちからとんでもない迷惑を被って……」
「ああ?」
「ヒィッ……」
そろりそろりと現場に近づいていく。
音を極力立てずに、できる限り気配を消して。
そこは中庭にある物置の裏の死角となったスペースだった。
壁を背中に息をひそめて、気付けばあたしはすぐ近くまで迫ってしまっていた。
「俺たちがなんだって?ああ?」
「ヒィッ……そ、それは、その……」
「調子のってっとぶっ飛ばすぞ、ああ!?」
な、なんだぁ……!??
これが、カツアゲ!??
恐喝、ですか!??
