「もうー、何先生だっけ、あの人。なかなか口うるさいっていうか……」



放課後。


4限のときの先生に散々お説教を食らったあたしが、昇降口で靴に履き替え校舎を後にしたのは5時過ぎのこと。



音楽棟からは、楽器の心地よい音色がきこえてくる。

徳永ホールでも、いつものように、熱気だった芸能科の演技指導が行われているようだ。



なんて他人事に考えながら学園の中庭を通り過ぎようとしたとき、別の”何か”が私の意識を呼び止めた。





「あ?なんだテメェ」