髪をかき上げたその仕草も、耳のピアスに手をやった姿も、写真集から切り取ってきたような完成度。


あんな美女がゴロゴロいたりするものなの?芸能科って……。

同じ敷地にいてスミマセンって感じなんですけど!


その突如、美女は死角になっている屋上の入り口から、誰かに呼ばれた様子で、振り返ってそちらの方面へと消えていった。



あんな美女ならぜひお近づきになりたい。

そしてあわよくばその美しさの恩恵を……。


なんて邪念を秘めていたあたしのもとに降りかかるのは、先生の黒々としたオーラ。


「上篠さん、編入したばかりで授業に興味がないなんて、なかなかいい度胸ね?」


「え゛……!」


その後あたしが徹底的に授業担当の先生にいたぶられたのは言うまでもない。