そんなこんなでダッシュした教室で睡魔と闘いながら授業を受けること数時間。


昼休みを前に、お腹の音が鳴らないように葛藤していると、教室の窓から窺える、学生会館の屋上に、一人の女子生徒の姿を発見した。


ん……?


そのフェンスに手をかけて、腰近くまで伸びた、アッシュグレーのストレートヘアーをなびかせたその生徒は、横顔からでもわかるくらいに、絶世の美女と言っても過言ではないような生い立ち。

見るからに絵になるような、モデルのような女性だ。


大きな英字のロゴ入りトレーナーの上から、制服のジャケットの袖を通している、ちょっと私服っぽい恰好だった。


彼女も、芸能科……?

確か、個性を主張させるために、芸能科に関しては私服OKなんだとか。


さすがは天下の徳永学園の芸能科だ。

あんなに綺麗な子がいるなんて……。