ホワイトのブレザーに、黒のピン・チェックのズボン。

学年色のネクタイに、徳永学園のTをかたどった刺繍が入っているのは、あたしの身に着けているリボンと共通していた。


落ち着いた淡いブラウンのさらさらの髪に、色白の肌。

髪色同様に色素の薄い瞳からは、どこかしら英国風な雰囲気がにじみ出てる。


普通科の制服はブレザー自体が紺だから、この制服は……。


「音楽科の生徒が何でこんなところにいるんだって感じだよね」


やはり、音楽科の生徒だったらしい。

超美形だ。そして見るからに紳士だ。


「普通科の先生にちょっと用があって……。って急がなくちゃ。ごめんね、それじゃまた」

「あ……」


その美青年は、足早に普通科の階段を下りていってしまった。


な、なんだったの……??