「あれ、露崎パネル係だったんだ」

『え、あ、はい…』


え、あ、はい…じゃねぇよ!!!
なんだその塩対応!!
もっと他に言いたいことあるだろ私ー!


「露崎、絵上手いもんなぁ」

とニコニコする先生


何で私が絵を描くこと知ってるんだろう


『上手くなんて…ないですよ』

「そう?俺は露崎の絵好きだなぁ」


にへらぁ、と子供のように無垢な顔で笑う先生は少し可愛くて、恥ずかしくなって視線をそらした


「去年の学園祭のポスター描いたの露崎でしょ?」

『えっ…?あ、はい。まぁ…』

「あのポスター、街で見かける度、優しい絵だなぁ…って思ってたんだぁ」



優しい絵…なんて初めて言われたから、恥ずかしかった
それ以上に、あんな下手な絵を見られたのが恥ずかしい…


「この学校来て、あのポスター描いたの誰ですかー?って聞いたら、露崎だって言うからさ!」


誰だ教えたの!!
呪ってやる…!


「そしたら、担当クラスに露崎いるんだもん!!」


そう言うと先生は私の顔を覗き込む。


「運命かなぁ」

『…はぁ?』

「なんちゃって、えへへ」


何だよそれぇ!!
全く…
そんな、恥ずかしいことよく口にできますね
こっちまで恥ずかしくなってきちゃう…

これはやばいな…

本当に好きになる可能性があるぞ…


「じゃあ頑張ってね!」

そう言って先生は教室を後にした