すると外階段から屋上に上がれると気づきひなたは必死に屋上に向かった。
転びそうになりながら階段を駆け上がり屋上のドアを開けて中に入った。
「なっ何してるんですかー!!危ないですよ!」ひなたが叫びながら柵の方まで行くと男の人はゆっくりと振り向いたが逆光でその顔は見えない。
「そっそんなところに立っていないで早く降りて下さい!」
「は・・?何?」
「と、とにかく降りて!いっ今死んでしまったら残された家族やお友達が可哀想ですよ!それにっ絶対に後悔します!!」
「・・・は?」
「いや、は?じゃなくて!早く降りて下さい!」
「・・死ぬって、誰が?」
「・・・えっ?」
「もしかしてオレ・・自殺しようとしてる人だと思われたわけ?」
「へっ?!・・・ま、まさかち・・違うんですか??」
その男の人は急に吹き出したかとおもうと大笑いしていた。
助けようと必死になっていたのに笑われたのでムッとして言った。
「そっそんな笑わなくても!」
「あ~わりぃわりぃ!オレは別に飛び降りようとしてた訳じゃなくてさ~ブッ」吹き出してまた笑い出した。
(え?・・何コレ・・私まさか勘違い?うそ・・そんな事って・・)
「そ・・そんなぁ~ハァー・・」
ひなたはその場でへなへなと床に座り込んだ。
「そ、そんな所に立って居ないで早く降りて下さい!」
「分かった分かった・・」
すると男の子は屋上の塀から降りて柵の扉を開けて屋上の中に入ってきた。
「オメーすげーな!フツーそこまで必死に・・」
「本当に自殺しようとしてた訳じゃないんですよね?」
「あぁ違う違う!オレはただ・・」
「良かったぁ~」
「え?」彼は私が安心している事に少し驚いている様子だった。
「もし本当に自殺だったらどうしようかと思ってたから・・本当に私の勘違いで良かったです・・良かった。」
「お前・・変わってんなぁ?」
「へ?!」
するとその人はひなたに手を差し伸べて立たせてくれた。
「いや~わりぃ・・あれは、オレのマイブームでさーいつもあそこに立って夕日見てんだよ・・」
「もう・・紛らわしい事しないで下さい・・ハァー」
「だから悪かったって!・・ん?お前もしかして・・」
「えっ?」(まさかこの人まで私が東条教授の娘だって知ってるの?)
と思ったが彼の口から出たのは意外な言葉だった。