「つーか門限ある家なんてかなりのお嬢様なんじゃ・・お前大丈夫か?」とハヤトは陽人に言う。
ユウもさらに続けた。
「バイクで送ったとか・・ちょっと親しくなり過ぎたんじゃねーの?ここらで縁切らないと後で傷付けられんのはお前の方なんだぞ?セレ学のお嬢様なんかが俺等に本気になる訳ねーし平気で俺等の事裏切ったり出来るんだぞ?」
「そうだよーハル!エリナもユウに賛成!」
すると陽人は反対するユウ達に向かって言った。
「ちょっと待てよ・・アイツはお前らが思ってるようなセレ学の奴らとは違うんだよ!」
「陽人!」とユウが叫ぶが陽人はさらに続けた。
「お前らさぁ・・アイツに会った事もねーのに、何にも知らねーくせにアイツの事悪く言うんじゃねーよ!」
陽人の言葉に皆何も言えなくなった。
すると今度は明るく言った。
「いーからオレの事は心配すんなって!」

そしてその日の放課後・・・。

ひなたは陽人と出会ったビルの入り口の脇に立っていた。
このビルの入り口には「陽だまりビル」と書いてあった。
(このビル陽だまりビルって言うんだ・・)
するとどこからかバイクの音がしたかと思うと、陽人が乗ったバイクがビルに近づいて来た。
陽人が乗ったバイクが駐輪場に止まりバイクを降りた陽人がヘルメットを外しながら言った。
「おっ!ひなた!」
「千葉君」
(千葉君は、まるで昔馴染みに会った時みたいな感じで私の名前を言うから・・友達や幼馴染に縁が無い私にはそれが物凄く嬉しかった・・・。)

「良かった~!あのメモ見てくれたんだな」
「はい・・でも何でわざわざバス停に寄ってメモなんか・・」
すると千葉君はちょっと悪戯っ子みたいな笑みを浮かべながら言った「だってその方が面白いじゃん♪普通に渡すなんてつまんねーし!それにオレ今日はバイクで学校行ってたから通学途中に寄ったってわけ、」
「えぇ?!高校生がバイクで通学なんて・・」
すると陽人は吹き出して言った。
「プッ!言うと思った。」
「笑い事じゃありません!」
陽人はひなたの顔を覗き込みながら言った。
「あれ?でもお前、昨日の夜バイク乗ったよな?」
そう意表を突かれて言葉につまる。
「うっ・・」
「高校生が運転するバイクに、乗ったよな?」
「あ!あれはっ・・急いでいたから仕方なく乗っただけで!」
するとまた陽人は笑いながら言った。
「お前!マジ真面目すぎ!」
「えっ?」 「じょっ冗談だって!」