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瑞希「おはよ~う!!」

「朝から元気過ぎだって(笑)」




5月。

目指していた高校に入学して
1ヶ月がたった頃。




瑞稀「もう~、また見てんの??」

「う、うるさいなあ、」




窓からグラウンドを見る私を見て
ニヤニヤと口角を緩める瑞稀は
高校生になって仲良くなった子の1人。

真ん丸な目を細めて、
かぁわい、と耳元で呟く。



「うるさっ!!」

瑞稀「ほほー。そんなに好きですかあー」





グラウンドには、


朝から忙しく朝練をするサッカー部。

朝からバカでかい声を出す野球部。

朝から爽快な走りをする陸上部。



まぁ、お目当ては サッカー部の " 彼 "
だったりするんだけれど。





瑞稀「そーんなにかっこいいかね」

「うん。めっちゃかっこいい。」

瑞稀「かっこいいって言うよりは、可愛いじゃない?」

「ちがう!!倫くんはかっこいいの!」




和田部 倫


私のクラスの男の子。



サッカー部とは思えない、
しなやかな手足と透き通るような白い肌。

グラウンドを駆ける姿はまさに天使。




「…やっばぁ、」

瑞稀「そんなに?(笑)」

「アンタの窪田くんよりは。」

瑞稀「はぁ?!絶対窪田くんの方がかっこいいし!」




私の眼中には倫くんしかいないので
窪田くんは正直論外。

ゴメンナサイ。




「……はあ、ほんと かっこいい」





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一年前の私はきっと

考えてもいなかっただろう。



まさか。

あの倫くんと


高校生になって、
同じクラスになるなんて。





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