「ご、ごめんなさいっ!!」


目の前で紙束を持って泣く女の子。

ま、まって!

そういうつもりじゃないの!

そう言いたいはずなのに、声が出ない。

笑って否定したいはずなのに、笑えない。



「すみませんでした!!」



いつの間にか逃げられていて。

あぁ、またかと心の中で呟いた。



私はいつも人に逃げられてしまう。


怖いだとか、何考えてるか分かんないだとか。

そんな理由だけ。



でも、仕方ないんだ。

笑えないもの。


今のも委員会の委員長である私に案を出しだけ。

それを私が無言で見てたらいきなり泣き出す始末。



自分が嫌になりため息をつきつつ、クラスへ向かう。


「あ、きた。」


クラスメイトがそう言う声が聞こえた。


なんとなく察してはいるけれど。



「何か、言いたい事でも?」



言った男子を見つめながら言うと、目を逸らされた。


そんなに、私って怖いわけ?