「な…っ!!!」



「好きやでって言ったのに。
なんで1発で聞き取らんの?
馬鹿なの?あぁ、馬鹿なのか。」



照れているのか饒舌になった寧。



それに対して驚いてなんも言えない私。




「でももう言わんからな。

今日はたまたま、桃子の浴衣姿が可愛くて、
この防波堤に2人きりで、口からポロっと出ただけやで。」



「ばかぁ…」



私の目から大粒の涙が零れる。



「なんで泣いとるん?」


そう言って、寧は困ったように笑った。


「わか…らんっ」



「んーー、」


「ふぇ…っふ、」



「まぁ、うん、

こうやって隣で泣いてくれた方がひとりで泣かれるよりずっといい。」



「いみ…わからんし…っ」



「まんまやで、まんま」


「ごめん…っ」



「あ、返事とかいらんでの、今ままで通り普通に友達として接してくれな!」




今は、そんな寧の笑顔すら見るのが辛かった。





大好きな人が無理している姿は、見たくなかった。







夏祭り、




君がすき。