4月になり私Aは、高校生というとてつもなく退屈な職業に就いた。日差しは暖かく風が春の香りを運んでくる。通学路の脇の花壇の中ではきれいな色とりどりの花が咲いている。とてつもなく嫌な気候である。近くを走る小学生も、仲良しカップルもとても憎らしい。
私は、私より幸せな人が大嫌いだ。

「おーい!A!A!」
後ろから私を呼ぶ声がする。朝からこんな大きな声で騒音迷惑も考えず走り寄ってくるやつは・・・・
「はぁー待・・て・・よ、はぁはぁ」
やはり幼なじみのBだった。肩で息をするBを無視して私は早足で歩いていく。
「おい!お前またイヤフォンつけてんの?!あぶねーからやめろって!
そう言ってBは、私からイヤフォンを取り上げた。
「あっちょっ返して!」
するとBは、案外あっさりと返してくれた。片方だけ。
「・・・・何?」