~嘉人said~

 「花南?陽汰は・・・?」

 花南は、今気付いたとばかりに、

 「あれ~?本当だ・・・。」

 何か嘘っぽいな・・・。

 「陽汰と一緒にいた人、俺見たことない・・・?」

 何か見覚えがある・・・ような気がした。

 「たぶんね、気のせいだよ」

 そっか・・・。

 確かに見たことあるんだけど・・・?

 おかしいな・・・。

 「今日は、私と2人だけど良い?」

 遠慮がちに花南は言ってきた。

 「・・・別に」

 そういうと、花南は俺の腕を抱きしめてきた。

 「久しぶりだね、嘉人」

 俺は上の空だった。

 「ちょっと!嘉人、聞いてる?」

 花南が、拗ねたように聞いてきた。

 よく見れば、顔も怒ってた。

 「・・・ゴメン」

 今日の俺は変だ・・・。

 原因は、あの不思議な女の子だ。

 頭からあの子が離れない。

 まぁ、今日は花南とのデートを楽しもう。