「うわあ〜ん。痛いよ。痛いよ。」
女の子が泣いてる。 ここは病院。
看護師たちは、女の子をなだめるかのように優しい声音で言った。
「大丈夫よ。愛ちゃん。この痛みもじきに治るから。ね?泣かないで。」
女の子はひたすら泣いていた。
女の子が何故泣いていたのかは、女の子は目が不自由でつい最近手術したばかりだった。麻酔が切れたらしく、痛みだしたのだ。看護師たちは困り果てて、どうしたものかと首を傾げていた。
その時、病室の戸が開き、男の子が入ってきた。
スタスタと男の子は、女の子の所に駆け寄り、花を渡した。
「もう泣かないで。この花を見て。」
男の子は、そう優しく女の子に話しかけた。女の子は、うずくまって泣いていたが、顔を上げ、男の子の顔を見た。
涙で顔がぐちゃぐちゃになっていたが、
女の子はその花を見て
「綺麗。綺麗な花」
そう言った。
男の子は、女の子を見てニコリと笑い、
「この花はさ。アイリスっていう花なんだ。」
と言った。
女の子は、首を傾げながら、
「アイリス?っていうの?。」
と言った。
男の子は、女の子の問いに頷いた。
男の子は、花を女の子に渡した。
そして言った。
「もし、また何かで苦しい時は、呼んで。
僕が、君の希望の光となって照らし、
守ってあげるから。」
女の子は、その言葉を聞いて、
「ありがとう。一生大事にするね。」
と言った。
その後、男の子は、病室を出ていった。
看護師たちは
「良かったわね。綺麗な花貰えて。」
「でも、あの男の子誰だったのかしら?」
と口々に言ってた。
女の子はその花を見つめながら、微笑んでいた。
そして、その男の子に、もう一度会いたいなと心の中で思っていたのだった。