「うっ…えぐっ…」

涙が止まらなかった。

振られることは覚悟していた。でも、まさか嫌われてたなんて思ってもなかった。

じゃあ何で一緒に帰ったり、遊んだりしてくれたのか、あたしにはよく分からなかった。

「帰ろう。」

鞄を持ち、教室から出た。

時刻は午後五時前。
少し薄暗くなっていて、もう秋なんだな。と改めて実感する。

まだ涙が溢れてくる。

こんな所、人には見せられないな。

あたしは、1年生の教室の前を俯きながらゆっくり通る。

さっきの斗季の言葉が頭の中でリピートされる。

”嫌い”ってストレートに言われたことのないあたしは、それが予想以上に深い傷で。

思い足取りを止めて、廊下の壁にもたれかかり、そのままズルズルと床にお尻を付けていた。