私は先輩の部屋につながる勝手口から出入りしている。 正面から堂々、タクマ先輩の部屋に行けるのは 婚約者と家族くらい。 私みたいな存在のモノは お忍びという立ち位置なのだ。 勝手口の玄関で靴を履きながら まだ怒っている先輩を見ると 何だか愛おしく思えた。 「先輩が私の事でこんなに熱くなってくれるだけ 私 幸せみたいですね。」