「何なにバレた?」

そう訊く朔羅はどこか楽しそう。

バレたいのか?


「バレたっていいよ、だって困るの黒崎恭哉もどきでしょう? 部屋に女の子連れ込んで隠してるなんて」

「連れ込んでないじゃん。朔羅が勝手にいたんじゃん」

「言い訳にしか聞こえないよね? 事実はアタシとあんたしか知らないし」

「……むかつく」


呟く僕にニッコリ笑って、彼女はスプーンを握った。

「ね、スープ貰うよ」

「いいよ」


器用なのか慣れているのか、彼女は綺麗にそれを食べる。

やがて食べ終わると、姿勢を崩して頬杖をつき、何とはなしに僕の方を眺めていた。