「じゃあ」

そーちゃんが冷ややかに視線を向けた。

「堕ろしたら良かったのに」



ママは不敵な笑みを浮かべてそーちゃんを見つめている。

私はぐっと歯を食いしばって我慢した。

普通にしていると泣いてしまう。

「そんなに要らないなら、産むなよ」

そーちゃんはもう一度、言った。



静まり返るこの空気が嫌で。

私はそーちゃんの手を握った。

顔色を変えずにそーちゃんはママを見つめている。



恨んでる…というより憐れんでいるような感じ。



「…帰ろ」

ボソッと私は呟いた。

もうこれ以上、ここにはいたくない。