君がいなくなって

「真由ちゃん、ありがとうね」

届けに行くと、拓海くんのお父さんがすぐに出て来てくれた。

私は微笑む。

「明日からよろしくね」

そう言われて肩を叩かれた。

「そー!」

お父さんは総一さんを呼んだ。

「後で車で送ってあげて。
俺、今からスポンサーに挨拶に行かないといけないから」

「はい」

門真 総一さん。

拓海くんと同じようにレーサーをしている。

けど。

小さいチームなので。

働かなければ食べていけない。

というわけで、普段はこのお店で整備士として働いている。