君がいなくなって

「…あ?」

見慣れない天井が見えた。

私はゆっくりと辺りを見回す。

ここはどこだろう…



起き上がってみるとどこかのマンションの一室でシンプルな部屋だった。

清潔感の溢れる部屋。



突然、玄関が開く音がする。

私は少し恐怖を抱いた。



「起きた?」

入ってきたのは総一さんだった。

手にはドラッグストアの袋。

「ここは?」

私は首を傾げた。

「俺の家。
社長の家から5分くらいのところだけど、真由ちゃんが倒れた時には誰もいなかったからここへ運んだんだ」

そっか、私。

倒れちゃったのか。

「これ、使って」

袋から出されたのは。

妊娠検査薬。

私の頭は真っ白になる。