『へぇー。

ひとりっ子って


心配されるんだ』

…と家に帰るのが遅くなる時に親に連絡すると言うと…そう言われるのですが…

「ひとりっ子は…関係ないと思うよ…。
純も…心配されるでしょ?」

「全然!!」

「全然って…」

「だって、いつもよりちょっと帰ってくるのが遅いだけだよ。心配する必要ないじゃん」

「いや…」

「私、高校生だし」

「うん…」

「16だし…」

「うん……」

「長女だし」

「うん………。でも…」

「それに私が帰る場所はそこしかないもの。
お母さんも、お父さんも、兄弟達も分かってる。
だ・か・ら、心配されないの」

「そっか…」

「うん。てか、早くカラオケ行こう!」

「あっ…待って。まだお母さんに連絡…」

「まだしてなかったの?」

「話してたから…」

「もう、早く!!」

「うん…」




「いらっしゃいませ」

「松野先輩」

「純じゃない。
何? 私に会いに来たの?」

「違いますよ。今日、バイトの日だって知らなかったですから」

「そうよね。私も教えた覚えないし。
あら…あなたは…」

「ああ。松野先輩は会うの初めてでしたよね。
紹介します。私の高校の友達でひとりっ子の琉美子」

「初め…まして…。琉美子…です」

「琉美子。松野先輩は私の中学の時の2こ上の先輩で…」

「あなた…ひとりっ子…なの?」

「はい…」

「あなた…今、彼氏…居る?」

「居ません…」

「やっぱり!!
早く探さなきゃ!!!」

「えっ?」


「将来…

孤独死するわよ」

…と将来一人で亡くなってしまう事を…警告されてしまうのです…。