『琉美子ちゃんはひとりっ子なのに

お手伝いして偉いわね』

…とお手伝いする度に…言われてしまうのは…

きっと…このせいだと…思うんです。

【ひとりっ子】

イコール

【わがまま】

実際…

「うちの未菜なんて手伝いを頼んだら、嫌な顔して『忙しいから、ムリ』って断るのよ?


「本当に忙しいでしょ? 未菜ちゃん、受験生なんだから。勉強しないと」

「確かに受験生だから勉強はしてるらしいわ。でも、それは塾でだけ!!
家に居る時はスマホでゲームしたり、音楽聴いたりしてるんだから!!!」

「息抜きに少しやってるだけじゃないの?」

「寝る前までやってるわ。
琉美子ちゃんは受験の時、そうじゃなかったでしょ?」

「そうね…。
寝る前までっていうのは…なかったわね」

「やっぱりね…。
同じひとりっ子なのに
どうしてこうも違うのかしら?」

「そう…ね…」

♪~♪~♪~。

「ごめん。電話だわ。
もしもし。未菜? 何? 
えっ? 今から迎えに来い?
今日一人で電車に乗って帰るんじゃなかったの?
疲れたって…。お母さん今、おばさんの家に居るのよ? 時間かかるわよ? いいの? 
…分かったわ…」

プープープー。

「ごめん。未菜が塾まで迎えに来て欲しいって言ってるから。もう、行くね」

「うん」

「また来るわね。
じゃあね。琉美子ちゃん」

「はい…」

バタンッ。

「姉さんは大変ね…」

「そうだね…」

私の知ってるひとりっ子が…そうなんです…。