【完】嘘をつかせてください







「言うこと聞くの、決めた?」


私は聞いてみた。

すると、


「決めました。2つ質問させてください」



あぁ、聞かれちゃう。
そりゃそうだよね。しょうがない…









「好きなラーメンはなんですか?」


思わず笑ってしまった。


なんだ、!?
まぁラッキーと思って「坦々麺」と答えた。





すると、
「嘘です笑 もう一回質問させて笑」

ときた。




だろうな、と思っていたから、
もちろん承諾した。




改めた質問、

「いつから好きなんですか?」



私はその時、思い出せなかった。

好きなことを忘れるくらいの好き。

だった。




「覚えてないです」



「そうですか笑」



怒らなかった。
なんで怒らないの?と聞くと、
答えなくてもしょうがないよ、と言った。



「じゃあ次の質問です。」


「なんで、接点もないのに好きになったんですか?」



これまた難題だ。

その事も忘れていた。
ずーっと好きだったから、
理由があったらそれは本当の恋じゃないと思っていたから。


「分かりません」


「ラーメンしか答えてねーじゃないか笑」



その通りだ。
しょうがない、分からないのだから。



それでも優しい彼は、許してくれた。



あ、やっぱ好きだ、と
改めて思った