その頃はお姉ちゃんが怖くなってきた。




キレやすくなって、物を壊すようになった。
家に帰ったら私のノートが引き裂かれてた。
課題なんて出せるもんじゃなかった。
朝の登校は毎日走った。
お姉ちゃんがわざと早歩きで歩くから、走るしかなかった。
…体力がかなりついた。


お兄ちゃんは お姉ちゃんとすごく仲良くなってきた。
私は、―――どうしてたっけ?


いつの間にかいじめはなくなって、私は普通に友達と遊んでいた。
いい思い出ができた。




ああ、1年前の朝は飛べるかなって本気で勘違いするほど爽快な朝だったな。

友達と笑い合いながら登校してたな。

先生にあのお花あげようって道端の花を摘んでドキドキしたな。
先生、喜んでくれるかなって。

あの頃の気分をまた味わいたくてあの花を探したら、枯れてたなあ。






寂しかった。

毎日苦しかった。







そんな小学3年生だった。