柴田は、どこのクラスにも一人はいるブスだった。

いや、柴田のスケールはそれを超えていた。

学年で一番と誰もが思っていた。

でも、僕はそんなカッパの質問にドキドキした。

「燁子の方が好きだ」と言わざるを得なかった。

僕は初めてカッパを異性として意識し始め、カッパと呼ぶのを辞め、燁子と呼ぶようになった。

ただ、意識し始めたと言っても、やっぱりカッパはカッパだった。

そこには相容れないものがあった。

僕にとって燁子は幼稚園の頃の一緒に泥んこになりながら遊んで一緒に泣いたり笑ったり怒られたりした友達だったんだ。