「取引先っても、結構デカいとこだよ。うちなんかを扱ってくれるのが奇跡なくらい」


「そんなに?」


だからアクセサリーやファッションのバランス、センスが良かったのかと改めて感心した。


「でも、もう終わりだから、終わりにしたいから、お仕事の邪魔にはならないように」


「お·ば·か」


ぱつん、とデコピンする。


「いった!」


「じゃあ首にする。そんな情けないコはうちには要りませんから、明日から来なくていい。荷物まとめてどっか出てって」


「そんなあ~」


言いながらおでこを押さえる。


「邪魔になるとかいうなら出ていけ。嘘つき」


「うそって…」


「好きなんでしょ!?じゃあ、付き合っちゃえばいいじゃない?!っていうか彼からあんなに来てくれて、なんの文句があるのよ、羨ましい!!私が欲しいくらいだわ」


「……う」


「あっ、今のは彼にはシーね」


唇の前で人差し指を立てる。


「とにかく!邪魔になるとか付き合う気がないんなら、ここからも出ていきなさい。それは本気よ」

言い捨てると、階下に降りていった。