考えてみたら、確かに正美とは高校時代からの付き合いだ。


ベッタリ親友、というほど日がな一日行動を共にしたというほどでもない。


けれど、要所要所でそばにいた。なんとなくそばにいて、手助けをしてくれた気がする。


かといって、とくになにをしてくれるわけでもなく、寄り添って。


私がいるじゃん、という風に、何ごともなかったように、あったべき元の日常に戻してくれる。


『縁』


というのはそういうことなのかもしれない。


ものでも人でも場所でも。


縁がなければ一生すれ違うことすらないのかもしれない。