けれど。間なしにまたLINEの着信が鳴る。


「なんか忙しいね今日。大丈夫??」


「……これは」


「今度はなに??」


「……知らない人から来た…」


「なにそれ??」


きょとんとして、身を乗り出す正美。
大体のLINEはアイコンとユーザーネームIDでわかるようになっている。


初期設定のシルエットマークで、[NO_NAME]になっていた。


「なんて??」


「"こんにちは"、だけ」


「はい??………怪しいのはブロックしといた方がいいよ」


「……うん」


思い当たる節が全くないわけではない。


―――でも、まさかね。
あのときの子なら、削除してくれたはずだし、名刺も渡してないし。


そう関わることもないはずだからと、正美にも話していなかった。