そう考えているうちに、「ばいばい~」と、手を振って…葵ちゃんとは逆方向に歩いていく陸。
え!
それは、困る。
どうする事も出来ず、ただ…陸に着いて行くことしか出来なかった。
『葵ちゃん、またね』
「いつでもLINEしてよ」
『うん、する!バイバイ』
と、
手を振った後は、
後ろを振り返ることなく、陸と2人。
必要以上に話すことなく、徒歩で20分以上…陸の家に着いた。
『一人暮らし?』
「そう」
そう聞いて、鳥肌が立ってしまった自分。
けど、聞いた後気づいた。
ここにいる以上、一人暮らししかないよね…
陸と2人きり、大丈夫かな?
正直、不安しかないけど…ここで引き返したら本当に野宿になってしまう。
仕方なく、
『お邪魔します』
と、
言って…部屋にお邪魔した。
そう言っても、返事が返ってくる事はない。

