最低男子






葵ちゃんがトイレに行って、陸と2人きりになってしまった。





こんな、面と向かって座っている事が久しぶりすぎて…何だか、緊張してしまった。



早く、葵ちゃん帰ってきて欲しい。

そんな願いが頭の中で駆け回っていた。




特に、何も話す事がなくて…絞り出した話題は『新人ちゃんと付き合ってるの?』だった。





「付き合ってない」

『あの子陸の見る目が、女の子だよね』

「一回告られたけど」

『断ったの?』

「断った」

『珍しい…』





陸は、

お酒を飲みながらダルそうに答えていた。




私が新人ちゃんに嫉妬してるみたいだけど…ただ、気になっただけ。

申し訳ないけど…久しぶりに会ったあの日から陸に対して、何も感じなくてバイトで会う人って感じだった。