最低男子









復帰2回目のバイトは最悪な事に陸と1日一緒だった。





店長も少しは空気を読め。


と、

言う感じ。





何だか、企んでるようにしか思えない。








馬鹿な事を考えていると突然、「紗菜!」と店内中に響く程の陸の声。





久しぶりに名前を呼ばれて、

ドキッとしてしまったのは内緒。






自分に『馬鹿』と言ってやりたい。




『何?』

「今日、飯食いに行かね?」

『何で?』

「葵とか、誘ってもいいけど…」

『うん、皆でご飯ならいいよ』









陸に誘われたのは初めての事で少し嬉しかった。


陸も勇気を出したはずだから…簡易に断ることは、この私でもできなかった。