「はぁ、」
一年三組の教室。
昨日と同じ晴天が広がる空をただずっとみていた
「おい、孝汰」
バンっと机を叩かれ驚いてそちらを見る

「なんだよ。瑛心(えいと)」

瑛心と呼ばれた少年は机をもう一度叩きながら

「だーかーら!なんでお前が咲莉先輩と喋ってんの!?
誘われてんの!?」

「うるさいな、仕方が無いだろ。
咲莉先輩が僕と喋って誘ってきたんだから」


「そんなわけあるか!!!!!!!
俺はぜってぇみとめねーからな!」

「はいはい、いいから。今日部活見学いくの?いかないの?」

「行くに決まってんだろ!!」

瑛心は教室中の注目を浴びながら高らかに言う。

この、渡辺瑛心(わたなべえいとした)は咲莉先輩の大のファンである。
このことは、学校のほとんどが知っていることであり
むろん例外なく僕もそのファンということを知っていた。

だからこそ瑛心に声をかけることは躊躇こそしたものの
知らせずに行くほうが怖いと思ったため声をかけ今に至る。


「それじゃ、放課後にこの教室で。」

そういって瑛心から離れるようにして足早にトイレに向かった