もう聞き慣れてしまった銃の音、何を言ってるか分からない外国語

それが少しずつ近ずいてくる

それでも彼女とは離れなかった

木陰に逃げ込んだ

「ほら、にぎって」

彼女は半泣きの顔を隠しながら、僕の手をにぎった

殺されそうで泣いてるんじゃない

撃ち抜かれて血の止まらない僕の腹を見て泣いているんだ

僕は彼女の手を強くにぎり返した

「ね?痛くないでしょ?」

「あぁ、痛くないよ」

そう言って僕は笑った

本当に痛みも何もかも感じなくなっていた

彼女の笑顔にピントが合わなくなってくる

体の感覚がおかしくなっている

死にゆく僕を見ても、彼女は微笑み続けている

敵が来た

僕らを撃つ

血飛沫が舞う

暗闇になる

何処なんだろう

何処にせよ、あっちもこっちもおかしいところだ