Sweet Love

 翌日の昼休み。


 この日は生憎の雨で、屋上には行けなかった。


 午前中は晴れていたのだが、午後になってから急に曇り始め、雨が降り出してきたのだ。次第に雨脚は強くなっていき、風も強いのか、窓から見える木々の枝が激しく揺れている。


 この悪天候のせいで、今日は珍しく教室で、麗美と二人で昼食を摂った。


 お弁当を食べ終えたあたしは、麗美にひと声掛けてから牧原を呼びに行った。



「牧原。ちょっと来て」

「おう」



 二人でそのまま廊下を出る。



「ちょっと図書室行かない?」

「いいよ。図書室行くなんて、珍しいじゃん。何、本読みたくなった?」

「…違うよ。牧原と二人きりで話したいだけ」

「ああ、例の話し?」

「…そう。例の話し」



 図書室の引き戸をガラッと開け中に入ると、数人が本を広げていたり、中には勉強している生徒もいた。


 あたしは歩きながら周囲を見渡し、あまり人目のつかないところを探した。


 図書室の奥には、本棚で四角になっているスペースがある。



「ここでいいや」



 あたしは立ったまま本棚に寄り掛かる状態になり、牧原はその斜め向かいにどかっと股を広げながらしゃがむ。



「何かあった?」



 牧原が声のトーンを少し抑えてあたしを見上げる。


 あたしは、昨日の誠二先輩と話したことを掻い摘んで説明した。もちろん、今度の日曜日に海鮮丼を食べに行くことも一応報告しておいた。



「何で、また海鮮丼?」



 …やっぱり、牧原も変だと思うよね。

 初めてのご飯が海鮮丼だなんて。