『メール打つの面倒でさ。まあ何というか、どうもメールは苦手で。だから口頭で話したほうが早いと思って』

「まあ、確かにそうですよね」



 メールの方が倍ときめくのに…。まあ、あの文字の少なさからしたら全然なんだけどね。



『ところでさ、ご飯行くって話だけど、今度の日曜なんて空いてる?』



 …誠二先輩からのお誘い、きたーーーー!!

 もっちろん、空いてますとも!!



「はい! 大丈夫です!」

『お、元気いいね』



 誠二先輩が明るい声になり、笑っているのがわかる。


 やば…もっとおしとやかにキメようと思ったのに、はっちゃけすぎたかな。



『もしもし?』

「あ、はい! ちゃんと繋がってます」

『黙ってるから切れたかと思った』

「…すいません」



 電話なのに、あたしはつい深く頭を下げ謝った。



『…海鮮丼食べに行く? あ、その前に食べれる?』

「食べれますっ」

『じゃあ海鮮丼に決定ってことで』

「はい!!」

『あ、そうだ。俺、なんて呼べばいい?』

「普通に裕子でいいですよ」

『じゃあ裕子さんで』



 ――ん?